ボルダリングのスラブって?【垂直以下の斜面で難しい】

 

こんにちは、トミーです。

ボルダリング歴は10年以上で、前傾壁から緩傾斜までいろいろ登ります。

 

さて、今回は「スラブ」についてです。

「スラブ」って、登山やクライミングにかかわっていないと中々聞きなれない言葉ですよね?

 

「スラブ」って何??

スラブについて、あれこれ語ってみたいと思います。




 

ボルダリングのスラブって?【垂直以下の斜面で難しい】

スラブ=斜面(滑り台みたいにスタンスがない)です。

 

「スラブ」とは、垂直以下の傾斜(大体60~89℃まで)を指します

 

経験知からの発言になりますが、スラブは垂直以下の傾斜(大体60~89℃まで)といった感じです。

そして、何と言っても「まともに掴めるホールドがない」というのが、スラブを怖くて難しくしている原因ですね。

 

基本的に、ボルダリングやクライミングって、「手でホールドを掴み、足でスタンスに乗る」もんじゃないですか。

 

でも、「スラブ」って、それができないんですよ。

いや、きわめてやりづらいっちゅうか。

 

確かに、緩傾斜で「一見、怖くなさそうだし簡単そう」に見えるんですよ。

ところが、いざ壁に取り付いてみると、これがびっくりするほど登れない。

手がない!足もねぇ!

 

ってなるんですよね~・・・。泣

 

「スラブ」って、難しい?

「スラブ」だから難しい、ってわけではありません。

スラブだろうが、薄かぶりだろうが、グレードが7級ならばそれは7級です。

 

でも、課題のタイプは異なりますから、難しさの感じ方は個人個人で異なるかもしれませんね。

具体的なホールドの感じを、ざっくりいえば、下記になりますかね。

  • スラブの3級 →70度の斜面に、5mmくらいのホールドとスタンスがたまにあり、全く見当たらない場合もある
  • 薄かぶりの3級 →100度の前傾壁に、2cmくらいのホールドとスタンスがある

 

スラブが難しく感じるのは、「掴めない、持てない、乗れない」からです。

人間、山とか登るときに急傾斜だったりすると、手で木の根や岩とかを掴んだり持ったり、足で踏んだりしますよね?また、ハシゴを登るときだって、手で掴んだり持ったり、足でしっかりと乗りますよね?

登るって基本的にはそういうことなんですよ。
掴んで、持って、足で乗るんです。

 

でも、スラブって、そういう登り方じゃないんですよね・・・

 

スラブはどうやったら登れるのか?

掴めない、持てない、乗れない。

スラブ特有の難しさ、そして怖さです。

 

ジムのスラブ壁の場合は「エッジング」が基本です

ジムのスラブ壁では基本的に一定の傾斜に出っ張り(ホールド)がある形状なので、
ホールドを「掴み」「持ち」、足で乗るのが基本となります。

結局、被った壁と一緒ですよねw

 

足で細かいスタンスを爪先で乗ることを「エッジング」といいます。

エッジングは、練習を積み重ねるほど上達します。

 

爪先で立て!とよく言われたりしますが、頭でそれを理解していても、実際にはなかなか難しいですよね・・・

 

結局、量をこなして慣れてゆくしかありませんし、
身体が覚えてくれば考えなくてもできるようになる類です。

爪先で立つことを意識しながら、何十回と失敗しつつトライしましょう。
いつのまにかコツがわかるようになってきます。

 

外岩の場合は「スメアリング」が基本です

本当は、スラブの真骨頂は「スメアリング」にあるんですよ。

これ、ジムだけで登っていても永遠にわからないので、なかなかブログでお伝えするのは難しいです。

「スメアリング」とは

岩の斜面の表面にある細かい結晶や微妙な凹凸に、靴のソールをベタッと押し付けて、その摩擦力で立ち込む技術

のことをいいます。

 

「エッジング」とは異なり、

スメアリングでは、ホールドやスタンス自体が全くないツルツル斜面に、手足を「置いてゆきます」。

 

この感覚、わかりますかね・・・??

 

登るというよりは、「斜面を這い歩く」感じなのです。

しかも、手も足も置けなさそうな急傾斜の斜面を。

 

60度のツルツルの斜面って、傾斜は緩くみえるけど、持つところが全くなければたぶん登れる感じはしないと思うんですよ。

でも、微妙に凸凹とか、ザラッとしたような摩擦ありそうな斜面なら、なんか乗れそうだし、いけそうな感じにみえます。

 

スメアリングが上手なら、ペタペタ登っていけたりするんですが、
慣れていないと怖くて足に全く乗れません。

これは、本当に、実際に外岩でのスラブクライミングをやることでしか体験できないし、
その体験を繰り返すことでしか身につかない技術なんですよ。

 

だから、奥が深いし、

ジムでは練習できない技術なので、難しい。

ジムでスラブの4級が登れても、外岩で7級が登れないなんてこともザラにありますw

 

スラブは、技術がすべて!

スラブは、見た目には大変地味ですし、妙に難しくて楽しくなさそうに思う人もいるかもしれません。

でも、クライミングにおいてスラブというのはとても奥が深い領域ですし、楽しいんですよね~。

そして、一見パワーでガシガシ登るイメージが先行しがちなボルダリングやクライミングにおいて、スラブというのは荷重移動や荷重バランスがモノをいうので、体重が軽かったり力の弱い女性のほうが上手に登れたりするんです。

 

ある意味、誰にでも平等な難易度を提供してくれるフェアなクライミングだといえますね。

スラブは苦手な人が多いだけに、スラブが得意になると、ボルダリングやクライミングでの楽しみが一層厚みを増すでしょう。

 

スラブが得意な人は「スラバー」と呼ばれるようになるくらいですからw(何

 

というわけで、「スラブを制す者はクライミングを制す」という言葉もあるほど(嘘です)なので、スラブの醍醐味をみなさん楽しんでみられてはいかがでしょうか?笑