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ジープで出発~8000m級のオバケ山塊に驚愕
本日は乗合ジープに乗って、ダラパニへ。
朝食は質素めだが、パン・バナナ・スクランブルエッグ・フライドポテト・パイナップルジュース等。
表通りに出てすぐの場所に、乗合ジープが待機。
急にトイレに行きたくなったので、すぐそばのレストラン兼ゲストハウスでトイレを貸してもらう。
なおガイドのダワとポーターは、乗合ジープでは荷台に乗り込むそうだ。
午前8時20分頃。
出発し始めると、早速の急な下りとダート。車は水溜りに勢いよく突っ込み、泥水が飛び跳ねる。
ワイルドだ。
勿論ここから先は、ヒマラヤトレッキングルートであり、谷間を山中に入ってゆくので、未舗装のダートが延々と続く。
しばらくしてまもなく、視界に突然巨大な白い山塊の姿が飛び込んできた。
ピーク29(7871m)とヒマルチュリ(7893m)である。
この時にみたオバケみたいなヒマラヤの姿には度肝を抜かれた。
思わずスマホでシャッターを切ったが、この瞬間の感動は言葉では表現できない。
しかもこの場所はまだ標高が800m程度の低地であり、見えている山は標高8000m級。
シンプルに、「富士山の2倍の高さの山脈」が、しかも比較的近い距離で眼前に立ちはだかっているのである。
するとまもなく右手に大きな滝が現れた。
ここで運ちゃんが、気を利かせて写真撮影タイムと称して車を路肩に止めてくれた。
しばらく滝とヒマラヤの撮影に興じる。
そしてジープから降りて初めて、後ろの荷台に多くのガイドとシェルパがすし詰めになって立っている状況を見た。。
これも日本ではあり得ない光景。。笑
トレッキングルートは、現地民の生活道
5分ほどして再び乗合ジープは出発。
道中では無数の集落を通過する。
アンナプルナサーキットでのトレッキングルートは現地民の生活道路であり、人々の生活の営みの様子を垣間見つつの移動となる。
衣類を盥で洗濯する主婦。
はしゃぎまわる沢山の子供。
何をするでもなくこちらを見てくる男性。
こうした光景の中をジープは突っ走る。
ダート道のスリルは、遊園地のアトラクションだ!!
オバケ山塊はすぐに見えなくなったが、峡谷は徐々に狭く、そして深くなってゆく。
狭いダート道の両脇は断崖絶壁であり、少しでも油断すると崖下に転落するリスクがあるので、乗ってるだけのこちらも少し緊張する。
深い水溜まりの穴にはまったり、
ボコボコ道なので上下左右に激しく揺さぶられ天井に頭を打ち付けそうになったり。。
これが耐え難い不快さに感じるかといえば、私の場合はそうではなく、むしろ楽しんでいた。
ああー、これぞネパールだよなあ。
これこれ!これが良いんだよな!
という心持ちである。
風邪の症状が出始める・・・
同時に、微妙に喉に違和感を感じ始めた。
その瞬間に嫌な予感がして、やばいかな?と思ったが、揺れの激しい車に乗りっぱなしでは何もできず、様子をみる。
次第に鼻水も出始めて、ティッシュなしだとダラダラと出っ放しになってきた。。
こうなるともう確実に「風邪をひいた状態」確定である。
出国の2日前に内科で診察を受け、風邪薬を貰って、それを飲み切ったばかりだったが、まだ風邪が本当は治ってなかったのか、治ってすぐにぶり返してしまったのか、、
いずれにせよ、まだ一歩も歩いていないうちから、幸先が良くないスタートとなりそうだ。
ベシサハールの宿に忘れ物をしたことを思い出す
そしてもうひとつ。
また宿に忘れ物をしてしまったことに気づいた。
それは「ダイソーで買った速乾性ハンドタオル」だ。
昨晩ホットシャワーを浴びた後に、このハンドタオルで身体を拭いたのだが、拭いたあとにドアの上にある釘のような突起にかけて干していた。
「ここなら出入りの際に目立つので、取り忘れもないだろう」とまで考えてそこにかけたはずだ。
しかし取り忘れた。
…。
一昨日にカトマンズのホテルでスマホの充電ケーブルを置き忘れて、運ちゃんに言ってホテルにわざわざ取りに行ってもらうということまでしたというのに、
またやらかしてしまった!
全く反省できてない自分に嫌気がさしてしまう。
あとでもう一度、荷物をバラして見てみよう。
いや、確実にあのタオルをパッキングした記憶がないので絶対にどこにもない自信はあるけど。。
それにしても100均とはいえ、これの代替はさすがにネパールでは手に入らない気がする。何しろ物凄く肌触りがふわふわなやつである。
たしかもう一枚予備のハンドタオルがあったはずだが、普通のタオルなので濡れてしまうと乾きは遅い。
ダイソーのタオルの紛失は、旅の序盤で地味にダメージが大きかった。
ランチはやっぱり、ダルバート
そんなこんなで、再び谷を挟んだ反対側に巨大な滝が現れる。
これに目を奪われていると、まもなく車が休憩ポイントで止まる。
ランチタイムだ。
ガイドのダワも、ポーターも、相席になった知らない人も、みんなダルバートを頼んでいたので、自分もつられて結局ダルバートにw
とはいえ、ダルバートは本当にうまい。
ネパール式カレーライスなので、辛いといえば辛いが、辛いのが苦手な私が無理なく食べられる程度の辛さである。
そして水が欲しくなってしまうのだが、水は無料サービスではなく、自前のミネラルウォーターを持参してきて飲むのが常識のようだ。
そういえば昨日の昼もそうだった。。
ミネラルウォーターは車の中に忘れており、取りに戻るのが面倒で、結局水無しで我慢したのだった。
あと、手で食べる場合に備えて、食前に水場で手を洗うということをガイド達はしていた。
トイレ近くに手洗い場があったりするので、手で食べたい人は先に手を洗うべし(私は今回はスプーンで食べました)。
羊飼いと羊の大群
再びジープに乗り込み出発。
羊飼いが羊の群れを引き連れてくるのにすれ違うシーンに2回ほど遭遇した。
大量の羊たちは、文字通り「メーーーーー!!!」と鳴いていた。
そう、本当に「メエエエエエ!!」と言っている。。
人間の声かよ!と思う声(驚愕
ダラパニ到着・トレッキング開始
ランチタイムから、約1時間ちょっとでダラパニに到着。
今回ここで車を降り、ついに山岳徒歩旅行が始まる。
アンナプルナ自然保護区域チェックポストの受付がある。ガイドのダワがトレッキング&登山の手続きに行き、いよいよトレッキングが始まる。
と言っても、本日の歩行時間は約1時間。
ダナキューという村まで歩いて終了する。
すでに周辺の山々は岩山が険しく聳え立っており、谷の奥にはマナスル方面の白い峰も確認できる。
私のほぼ全装備を背負ってくれるポーターはやる気満々で、早足で先行してゆき、しばらくすると見えなくなってしまった。
ガイドのダワと私は後からゆっくりと歩く。
風邪の症状が徐々に悪化してきている感があるので、今日の行程が短いのは助かる。
とはいえ、早く宿に着いて休みたい。
ダナキュー到着
ダナキューの宿に到着したのは14時。
西側に雪化粧をした大きい岩山が見上げる角度で立ちはだかっている。
しかしあれは「ただの丘」であり、その後ろにもっと巨大なヒマラヤが隠れている。。
その西側の山に太陽が15時すぎ頃に隠れてしまい、日差しがなくなって一気に気温が冷え込む。
すると外を散歩するには少々つらい。
ゲストハウスの厨房にある暖炉にガイドとポーターがいたので、私もそこに混ぜてもらう。
彼らはロキシー(ネパールの自家製蒸留酒)を飲んでいた。
私もいただくことにした。
これは日本の焼酎(熱燗)だなと思った。多分アルコール度数も同程度くらい。
そして、うまい。
ダワ氏曰く、
「今はまだ飲んでも良いけど、標高上がってからだと高山病になりやすくなるから上では飲めないよ」とのこと。
この日の夕食は、ミックスフライドライスとマッシュルームスープとマサラティー。
ミックスフライドライスは炒飯みたいなもので、これがまた美味かった(写真撮るの忘れた)。
この時の食事中に、一度停電が起きた。
しかしその瞬間にスタッフが大きな強力LEDライトをつけてくれたので、全くもって不便はなかった。
しかも停電はすぐに復旧した。
当たり前だが、慣れっこなんだろう。
食事は昨日と同じく、ダワ氏とポーターのふたりは私と同じタイミングでは食べず、私はテーブルの隅でひとり黙々と食べていた。
その横で、別の単独の中高年のおじさん(ネパール人?)と、昼間に外庭のテラスでランチを囲っていた3人組の女性のうちの1人がいて、何やら英語で会話をしていた。
何やらヒートアップしていたようだが、詳しい内容はわからなかった。
おじさんのほうはこれから自転車でアンナプルナサーキットを走破するのだそうだ。そしてネパールと西側諸国との歴史的な関係性について何やら熱く語っていた。
それを受けて女性側も反論の立場を取っているような感じで何やら熱く語っていた。
こんな時に英語が堪能であれば、また全く違った体験になったであろうと思うとやっぱり少し悔しい。
とりあえず、夕飯を食べ終わったらあとはもう寝るしかすることがないし、風邪も引いているわけなので早めに寝ることにした。
初のネパールロッジ。ベッドはふたつだが、私一人の貸し切り。