停滞決定の朝
朝7時半頃起床。
テント越しに外があかるくなり、隣のシェルパテントからわちゃわちゃと話し声が聞こえて目が覚め
早速朝食をゴンブーが持ってきてくれた。
卵焼きとヤギのチーズ、ミューズリー、そして紅茶。
そして前日からの気分の悪さは抜けておらず、朝食も喉を通らない。
卵焼きがどうにか少し食べられた程度で、チーズとミューズリーは時間をかけてもほとんど食べられず。
とてもハイキャンプに上がれる体調ではなく、ダワに今日は停滞したい旨を伝える。
なるべく細かくニュアンスを伝えたいので、スマホのGoogle翻訳で文章を書いて、それを見せた。
寄り添って解読してくれて、ダワは快くOKしてくれた。
再びテントに戻ってシュラフで丸くなる。
ほっとしていた。
天気はすこぶる良い。
完全なる快晴であり、登山日和であることは間違いない。
太陽が上がるに連れて気温もみるみる上がってゆく。
もしかすると、ここで停滞してしまうことで、翌日以降の天気のチャンスを失ってしまう可能性もあった。
しかしお天気情報などはここでは手に入らない。
ダワがそういった情報を入手していたかはわからないが、おそらく電波も圏外で衛星電話を持ってる様子もなく、天気情報については誰も入手できない環境かと思われる。
水場へ
昼すぎごろに、すこし身体が動くようになってきたので、ダワたちが水を汲みにいっている場所に行ってみることにした。
その水場は、ベースキャンプのあるU字谷を東のほうに5分ほど奥へ歩いて行った先にあった。
水場というからには、岩の隙間から湧水か雪渓からの雪解け水が出ているのか?と思ったが、そうではなく、
「ただの泥まじりの小さな水溜まり」であった。
水流はなく、地面から少し漏れ出た水がそこに滞留しているだけとなっており、ほぼほぼ泥水である。
ほかに透明な水が出ているような場所は全くなく(一応念入りに探したが)、どうやらこれが「ダワの言っている水場」で間違いなさそうだ。
うーん、、正直これは汲みたくない。。
しかし飲み水を得るにはどう考えてもこれを汲むしかない。
とはいえこんなこともあろうかと、私は日本から携帯浄水器「スーパーデリオス」
これでフィルターを通して濾過をして飲用水とする。
少し勇気がいるが、こういう濁った得体の知れない水でこそ使用のし甲斐があるというもの。
空の1ℓペットボトル2本に、このスーパーデリオスで地道に濾過した水をつくり、ペットボトル2本を満タンにして持ち帰った。
見た目は完全に綺麗な透明な水となって濾過できていた。
実際に少し飲んでみると、うむ、完全にクセのない美味しい真水となっていた。
スーパーデリオス凄いわ。使える。
ソーラーパネルが活躍
快晴の標高4800mのベースキャンプでは、太陽光線がかなり強いので、サングラスなしでは目を開けていられないほどに眩しい。
ここではテントのフライに持参してきたSUAOKIのソーラーパネルを固定して予備バッテリーの充電を試みた。
すると、2時間ほどでバッテリーの満充電に成功。
日本ではいくらやってもまともに充電しなかったが、こういった太陽光線の強い高所でこそ活躍するアイテムなのかと感
これでどうにか、
とにかく休養に努めるべく、これ以外はなるべく動かず、
午後にはゴンブーがお茶とビスケットを運んできてくれたので、
そして夕飯には、
いやありがたい。
豪勢すぎてありがたいよ。
けれども、だ。
こんなに食えんてww
午前中に、ダワに体調不良を訴えた際に、「脂っこいものと辛いものは食べられない」というのもたしかに伝えたはずだったのだが、伝わってないのかな???
いや、そもそもベースキャンプまで担いできた食糧に、油っこくないものや辛くないものが含まれておらず、わかっていてもレシピ的に出すしかなかったのかもしれんけど。
直径30cmある銀の皿にてんこもりに盛られた辛くて脂っこい炒め料理は、1時間ほど粘って口に運ぶも、4分の1も食べることはできず、結果的には無念にも挫折した。
一生懸命作ってくれたゴンブーには、本当に申し訳ない気持ちで一杯になった。
そして、下界でこれが食べられたら、嬉しさと美味しさを十分に消化できて、素直に感謝を表現することができたのだろうなという自信もあり、とても歯痒い気持ちがしたのだった。