7時起床、7時半朝食。
朝食はチャパティとマサラティー。
8時半出発。天気は快晴。
この日は標高4450mのトロンフェディまで、約3時間ほどの行程。
昨日のアタック日が長時間行動で疲弊したのもあり、本日はレスト日のようなもの。
荒涼の山々
標高は4200mだが、高山病の症状はほとんど出ていない。
かなり高所に慣れてきたのだと思う。
再び、のんびり平和なトレッキングタイムである。
かなり多くの欧米人トレッカーでごったがえしており、年齢層は高齢の人も多く幅広い。
マルシャンディ川の源流に近いが、川幅はまだそこそこあって、その渓谷は深く、対岸には標高6000m超級の乾いた岩の峰々が聳え立っている。
こうした乾燥した大地の峰々の景色も私は大好きだ。
日本では到底見ることのできない景色である。
ダワとのんびり、時折話しながら歩く。
ゴンブーは別行動で、荷物も重いので(私の分の高所ギアが入ったダッフルが荷物に加わっている)、後発でのんびりと歩いてくる。
ダワとは、色々山の話をした。
ダワの履いているオーバーパンツはモンベル製だった。これはどうやら奥さんからプレゼントされたものらしい。
ネパールでは他に6000m峰だと、どういう山が人気があるのか?と聞くと、日本人には有名なメラピークやアイランドピークの他には、トゥクチェピークとロブチェイーストが人気で登りやすいのだそうだ。
そして今回トライしたチュルーウエストも。
日本人にはほとんど馴染みのないチュルーウエストは、他の国から登りに来る登山者にはわりと人気があるらしい。
エベレスト登山に関しては、いま中国側からのルート(北稜)については、閉鎖されていて入山ができない的なことを言っていた。
つまりはネパール側からしか登るルートがないとのこと。
もしエベレストに、ネパール側から登って、中国側へ下山した場合、中国当局にその場で撃たれるか拘束されるかするそうだ…笑
ネパール人も、中国に対しては警戒意識が強いのかもしれない。
そんな話をしつつ、
トレッキング道は、マルシャンディ川の渓谷をはさんで左岸と右岸にわかれていた。
我々は、新しいルートとされている左岸を選んで歩く。
この場所には、元々は右岸にしかルートはなかった。
左岸は右岸に比べて、少し高い位置の山腹をトラバースする形。
なので右岸の道を歩くトレッカーたちの様子がよく観察できる。
左岸側の道を詰めてゆくと、最終的には大きな吊り橋が渡してあるところに至る。
マルシャンディ川源流付近に架かるこの大きな吊り橋を渡った先にある集落がトロンフェディである。
ちなみにこの鉄製の吊り橋は、2023年春に竣工したばかりの新しい橋。
全長360mもある。
この標高4400m付近にある吊り橋としては、おそらく世界最長??
とにかく、目を見張る光景であることは間違いがない。
トロンフェディの集落よりも、吊り橋一本のほうが規模が大きく見える不思議。
マルシャンディ川の上流の川幅もこんなに広いのかと驚きを隠せない。
のんびりと吊り橋を渡り、九十九折りの坂道を少し登り、11時半ごろにトロンフェディの宿に到着した。
トロンフェディにて
早速、飲み物とランチを注文。
ブラックコーヒーと、揚げ春巻きを頼んでみた。
久しぶりに美味しく感じられ、完食できた。
やはり高度に少しずつ慣れてきているのかもしれない。
この日は昼前に行動終了し、かなり時間的に余裕があった。
そして先日チュルーウエストのベースキャンプへ上がって以来、完全に電源とも電波とも無縁となっていた状態だったが、久しぶりのWi-Fiが比較的スムーズに受信できたので、インスタを一気に更新することができた。
トロンフェディでは、結構リラックスが出来た印象。
ただ、ここも部屋にもフロントにも充電できるコンセントはなかった。
次第に日が傾き、西の稜線には早くも太陽が沈み、トロンフェディは日陰の中となった。
それとともに、外に居られないくらいに寒くなってしまう。
日向と日陰の気温差が、まさに天国と地獄。
それが高所というものなのだ。
暗くなる頃には、暖炉によって温まってくる食堂に人が集まり、順次夕飯タイムとなる。
夕飯にはピザを注文。
出てくるまでは暖炉の前でお預け。
世界各国から集まるトレッカーたちが、ここ暖炉周りに陣取って談笑を楽しむ。
このトロンフェディの宿では、韓国人の男性グループがいた。
韓国人も今回初めて見かけた。
しかし日本人はここでも皆無。。
とにかく周りの人達が話す言葉はわからないので、暖をとることばかりに専念していた。
周りの人々も、私が英語が堪能ではない日本人(しかも単独)であることを悟ってか、話しかけられるようなこともなかった。
そう思うと寂しくもあるけれど、とはいえ話しかけられてもまともに返答などできはしない。
いや、こんなことを考えているようでは国際間交流など到底出来はしないのだけれど。。
そんなこんなで、18時ごろ、ピザが提供されてきたので、貪り食う。
うまい。
高所でピザもそこそこ食べられるようになったのが驚きだ。それでも後半はペースが落ちて食べきれず、
欧米人を中心とした老若男女多くのトレッカーがこの宿に宿泊していて、みんな元気で楽しそうに過ごしていた。
標高は4450mあるわけだけれど、誰も高山病で苦しんでいるような人は見受けられなかった(少なくとも私には)。
欧米人が強いのか、たまたまこの場にいたみんなが強かったのか、よくわからなかったけれど。
私も先日までの胃腸の疲労を引きずっていて、まだ完璧には回復はしていないのだけれど、これでも食欲は随分と戻ってきたし、頭痛や吐き気は殆どなくなった感があった。
これなら、明日のトロンラパスはどうにかなるかな、と思った。