空港への移動
早朝5時に起床し、待ちに待ったマウンテンフライトへ。
マウンテンフライトとは、小型旅客機に乗ってヒマラヤ山脈とエベレストを空から眺める約1時間ほどのツアーである。
ホテルまで空港までの送迎車がくる。
まだ外は暗く、道には車もない。
ドライバーさんはとても大人しく、無口。
しかし少しだけ話す。
「カトマンズにはいつ来たの?」
クロちゃんみたいに甲高い声だった…笑
「3週間前に来てトレッキングに行ってました。明日もう帰るんです」と答えると、会話が終わった。
彼はマスクをしていて頻繁に咳き込んでいたので、風邪をひいていたものと思われる。
10分弱であっさりとトリブバン国際空港に到着する。
ドライバーさんはここ空港駐車場で待っていてくれるらしい。
入り口の場所を説明してくれたので、そこへ向かう。
マウンテンフライトの搭乗口は、国内線搭乗口と同じ場所にあり、メインの国際線入り口とは異なり、空港の建物の左の端のほうにある。
建物の入口前に行列ができており、日本人の中高年集団がいた。
ネパールにきて3週間。はじめて日本人の団体をみた。
チケットをみせて建物内に入る。
イエティ航空というのがたしか、マウンテンフライトのメイン会社だったと思うが、今回私が乗る飛行機は、shree airlineという航空会社のものであった。
6時半に搭乗開始なので、結構な時間を待つ羽目に。
搭乗直前の時間まで自分が乗る飛行機のチケットに書いてある便名が、搭乗ゲートにあるディスプレイに表示されず、
またややこしいことに、同じshree airlineのマウンテンフライトの別便が、私のチケットの搭乗時刻と同じ時間にディスプレイに表示されていたので、
自分が乗るべき飛行機に自信がなくなってきて、
搭乗ゲートの女性スタッフにチケットを見せて「次搭乗する便はこれであってるか?」と聞くと、「もう少しそこで待て」と言われたので待つ。
shree airlineの別便の搭乗が終了した時点で、ようやく私の便がディスプレイに表示され、搭乗が開始された。ほっとした。
マウンテンフライト
建物の外に出て、バスで滑走路の沖へ移動。
小型旅客機に搭乗する。
案内された席は、機内の向かって左奥。
進行方向で右側の窓際席だった。
おそらくこっち側は、ヒマラヤとは反対側の窓側だ。
しかも、窓ガラスが曇って汚すぎて外が見えない。。
え、大丈夫?
今回は全員で多分28人くらい?の客数。
各窓際席すべてが丁度埋まるくらいの人数だ。
搭乗終了すると、飛行機は滑走路を移動。
そしてエンジン音の高まりとともに急加速し、離陸する。
このスピード感覚、なんだかネパールでは新鮮に感じる。
動き出すと、曇って水滴だらけだった窓が、自然とクリアになり外の景色が見えるようになった。
みるみる街はミニチュアのようになってゆき、雲の上に突き抜けて機体は空高く上昇する。
はるか眼下の低い位置に、広大な雲海が広がっている。
私の座っている席の反対側にヒマラヤ山脈の展望が展開した。
と同時に一気に乗客がそっち側の窓際に集まり、私ともう1人以外の全員が窓側を占領した。
皆がヒマラヤの景色を堪能し、撮影するなか、私は全くそちらを見ることができず、モヤモヤした。
マウンテンフライト(ヒマラヤ遊覧飛行)では、30分ほどかけてエベレスト付近まで向かったあと、旋回してカトマンズへ戻るので、どのみち後半には見えることにはなるのだが。
飛行機が大きく旋回し、ついにこちらの窓際席からヒマラヤ山脈のいかめしい造形が眼前に展開した。
壮大すぎる景色にただただ圧倒される。
添乗員の若い女性が、乗客一人一人の側にやってきて、見えている山々の名前を案内してくれる。
手前に見えている大山塊はチャムランで、その奥にマカルー、そして、恐ろしく深い渓谷の奥に写真では何億回と眺めてきたローツェ南壁とエベレストの実物がそこにあった。
いま世界最高峰を、この肉眼で拝んでいる。
エベレストと同じ高度を飛行していて、他にエベレストより高い山はどう見てもない。
同じくらいの高さに見える山は、エベレストの右の方にある「マカルー(8463m)」。これも巨大な山塊。
窓にひたすら釘付けになった。
世界で最も高い山脈の一角を、今私は空から俯瞰しているのだ。
こんな貴重な経験など、人生そうそうない。
地球最大の突起物を眼前にして、ひたすらその雄大さ加減を感じ取るよう努力する。
どこ探しても、これ以上の大きい山塊は、この地球上には存在しないのである。
エベレストの左には、これまた8000m峰のチョ・オユーとギャチュンカン。
その西には、ロールワリン山群のガウリシャンカールとメンルンツェが、その顕著なまでに厳つく聳える姿が印象的だ。
かなり低い位置に雲海が広がり、雲のはるか上に突き出している巨大さが、その雄大を一層際立たせていた。
飛行機は高速なので、みるみる山の角度が変わっていく。
荘厳で芸術的な神々の山嶺達を一瞬も逃すことなく全集中にて眺め続ける。
進行方向右奥に、世界第14位の8000m峰シシャパンマ。
さらに遠くの空には、マナスル三山、
果てはアンナプルナ山群まで見えていた。
夢にまでみたヒマラヤ山脈は、このような位置関係で聳えていたのか、ということをようやく手に取るように実感できた。
次第に飛行機は高度を下げ、着陸体制に入る。
約1時間のマウンテンフライトはあっというまに終わり、
7時45分に着陸。
離陸to着陸まで、たったの1時間で、カトマンズ〜エベレストの少し向こうまで往復できる贅沢ツアー。1時間以上に密度が濃いと感じたし、とても価値ある体験だった。
無事空港に到着してからは、惰性で空港駐車場に戻る。
ドライバーさんは、ちゃんと待ってくれていて、無事再会することができた。
10分弱でホテルに送迎してもらい、朝食タイムへ。
ショッピングとカトマンズ散策
懐かしのホテル・タメルの朝食バイキング。
ここの朝食は本当に美味しい。
ゆっくりまったりと朝食を食べてから、ちょっと部屋で仮眠して、昼前からカトマンズの街を散歩する。
もう後のタスクはお土産を買うくらいとなり、フリータイムである。
ただし、関係各方面に沢山お土産を買わないといけないので、中々に忙しいw
現金が足りなくなったので、ATMで20000ルピーおろす(散々エージェントへの支払いで繰り返しATMで引き出したのでやり方はよく覚えていたw)。
お土産は、知人友人たちに
カシミヤの帽子・ジャケット・ズボン・Tシャツ・お茶・ブレスレット…等等。全てホテルがあるタメル地区近辺で買う。
値札が貼られてないものも多数あるので、店員と金額交渉。
「アロフト」という、大手ホテル兼ショッピングモールが遠めにも目立っており、行ってみた。
立派な外見とは裏腹に、人が少なく閑散としており、テナントはあまり入っておらず、美容室とジュース屋さんがあるくらいで、めぼしいショップ等はびっくりするほど何もない。
まさにハリボテ。
なんというか北朝鮮のようなイメージw
20階建てくらいの規模感だったが、高層階へのエレベーターが見当たらなかった。
どうなってんのこれ?
とにかく公衆トイレはここにあるので(ここにしかないので)、この日何度か立ち寄った。
ネパールの首都カトマンズでは、コンビニも駅もなく、まともな公衆トイレはショッピングモールにしか存在しない。
トイレに行きたくば、泊まっているホテルかショッピングモールの二択である。
これらから離れてしまった場合は、近くのレストランのトイレをお借りするしかない。
そんなこんなで、スイーツ食べたり、
クレープ食べたり、
色々散策したりして、気づいたら夕方。
釈迦頭も売ってたので条件反射で購入w
これ昔台湾で食べたときに超美味かったのです。
でもカトマンズのはサイズが小さくて冷えてなくてなんかイマイチだた。。
若干キノコ臭みたいなのがしてたよ。。
夕飯は、ホテル近くのローカル食堂でチョウメン。
安くてボリューム満点!
これにて1日が終了。
いよいよ明日で最終日。
あっという間でちょっと切ない。