こんばんは、トミーです。
ボルダリング歴は10年以上になります。
さて、今回は「ボルダリングでグレードが辛い」とかよく言われる件について、深堀りしてみたいと思います。
具体的にいうと、例えば、5級というグレードは、どこのジムに行っても同じ難しさではないわけです。
「5級のわりに難しい」と感じる課題もあれば、「5級のわりに易しい」と感じる課題もあるんです。
このあたり、一体どのように認識すればよいのでしょうか??
そういったことを独断と偏見で解説してみます。
目次
「ボルダリングのグレードが辛い」って、何ぞや??
ボルダリングにおいて、「この課題、辛くね?」というような発言をよく耳にします。
同じグレードでも難易度に差がある件
ボルダリングを継続的にやるようになると、いろんなジムに行きたくなってきます。
そして、いろんなジムに行くようになると、ジムごとに課題の個性や難易度設定とかの特徴がわかってくるようになります。
そして、いつしか自分の中でこうした疑問や考えが思い浮かぶようになるのです。
なぜか、「甘いな」というよりは「辛いな」ということのほうが多いのは謎w
辛いというネガティブな感覚のほうが、クライマーの心理に焼きつきやすいのでしょうね。
まぁそれはともかく・・・
世の中には多くのクライミングジムがあります。
そして、それらジムごとに、難易度に差があったりするのです。
同じ難易度でも、実際の難しさに差が生じてしまう理由。それは下記のとおり。
課題設定者(セッター)の主観に基づいてグレードが決められる
結局のところ、クライミング・ボルダリングのグレードなんてものは、主観で決められるわけです。
課題設定者の肌感覚で、
というふうに決められるのだと思います。
とはいえ、客観的指標が全くないわけではありません。客観的指標は、おそらく下記になります。
- 使用するホールドの種類
- ホールドの取り付け方(向き・ホールド間の距離)
- 壁面の傾斜
- 製作者が意図するムーブのレベル
- クライマーの身長
僕はセッター経験がないのでわかりませんが、できるだけ客観的な難易度設定にあたり、たぶんこういったことを意識しているんじゃないかと思います。
そして、課題の製作者というのは、もちろんジムスタッフやプロのルートセッターだったりしますが、往々にして強いクライマーが多いわけです。
たぶん、二段以上を登る人が多いんではないかな、と思います。
そして設定者の主観に基づいてグレードを決定するので、他のジムなどで設定者が異なれば、同じグレードでも、難易度に差が生じるのはわりと普通なわけです。
グレードが上がるほどに、同グレード内の難易度の幅が広い
また、一般的に、グレードが上がるほどに同じグレード内における難易度の幅が広くなります。
これは多分、以下のようなことが理由だと思われます。
5級 ⇒ 垂直で細かいホールドやら、強傾斜でガバやら、多数の種類がある上、ホールドも多彩
むずかしくなるほど、課題がバリエーション豊富になるからですね。
そしてバリエーションが豊富だと、「強傾斜課題は得意だけれど、スラブは苦手」みたいに得手・不得手が出てくるうえに、ホールドの種類も多彩になるので、同じレベルでも難易度にばらつきが生じやすくなるのです。
もちろん、5級よりも2級のほうが難易度の幅が広がります。
だから、練習を続けていても、3級や2級で伸び悩んでしまうのは、
実際は少しずつ上達しているのだが、易しめの2級→難しめの2級くらいの上達だったりするので、分かりにくいだけ
みたいなことだったりもします。
もちろん、上のグレードになるほど、バランスの繊細さ・フィジカルの強靭さ・ムーブのダイナミックさも高度なものを求められますので、ここが伸びていなければ完全な伸び悩みだったりもします。
正しいグレードは、何を信じたらいいのか?【答え:外岩の課題です】
同じグレードでも、辛めとか甘めとかがあると・・・、
例えば、せっかくジムで3級がはじめて登れて喜んでいたら、「それ、甘い3級だから実質4級だよ」などといわれてしまうとガッカリですよね。
そして自分の実力が測れなくなってしまう。
もう何を信じたらいいかわかりませんよね orz
自分のレベルを正しく把握するには、外岩の課題を登りましょう
外岩の課題のグレードは、トポ(=岩場のガイドブック)にも明記されておりまして、これを正式なグレードと考えて大丈夫です。
例えば、小川山のくじら岩にある「穴社員」という超人気課題があります。グレードは3級です。
日本全国から多くのボルダラーがこの穴社員に挑戦し、そして登られています。
つまり、誰もが認める3級のスタンダードといえるでしょう。
僕自身も、登ったことがあります。
なので、3級の難しさの感覚は、穴社員くらいの難しさだと認識しています。
ぶっちゃけ外岩グレードは、ジムグレードよりやや易しめです
僕は穴社員を含め、他の3級の外岩課題を複数登りました。
2級や4級も、いくつか登ってきましたが、そこから思うことは「ぶっちゃけ外岩グレードは、ジムグレードよりやや易しめ」だなということです。
逆にいうと、ジムのグレーディングは外岩より辛い場合が多い。
もちろん、ジムによっても違いますし、僕自身すべてのジムで登ってきたわけではありません。
ですが、首都圏の人気ジムでは、外岩と同じか、辛い場合が多いですね。
外岩グレードを体感するために
まずはトポ(=岩場のガイドブック)を購入し、いろんな課題を眺めてみましょう。
もっとも有名かつスタンダードなトポは、下記のとおりです。
関東・中部エリアの有名な外岩の課題は、上記2冊に網羅されており、全ての課題にグレードが明記されています。
外岩を登る人たちは、「このトポを片手に、岩場へ行き、現地で目的の岩を探し、そしてルート図をみて課題を見定めて、トライする」といった感じで活用しています。
まとめ
ボルダリングでは、グレードに完璧な客観的指標は存在せず、よって難易度評価はあいまいです。
結局、グレードに対して正確な値を求めることはナンセンスだということですね。
グレードなどに捕らわれることなく、自分が頭と身体能力をフルに発揮して、楽しく夢中で登れていたらそれでいいのかな~と思っています。
そして、自分なりに、登れた課題に対してグレーディングしてみたらそれでよいのではないでしょうか。
それもボルダリングの楽しみのひとつですから。
おわり。