こんにちは、トミーです。
ボルダリング歴は10年以上になります。
この数年で、ボルダリング熱の高まりによってボルダリング人口が増えてきました。
そしてそれに伴って、特に初心者の方を中心として、「ボルダリングシューズを履いた状態でジム内をうろうろしている」状況を散見するようになったなぁ、と思います。
・・・ということは、少し前までは「靴を履くときは登っているときだけ」という人が多かったわけであり、それじゃあ「ずっと靴を履きっぱなしな状態ってどうなの?」という疑問が頭をもたげてくるわけです。
そこで今回は「ボルダリング中、ずっと靴履きっぱなしはダメ?」というテーマで自分なりに考察をしてみました。
目次
ボルダリング中、ずっと靴履きっぱなしはダメなの?
ずっと履いていられる=サイズ選びがそもそも間違っている件
ボルダリングシューズの性能を最大限に活かすためには、爪先・甲・踵にピッタリとフィットしている必要があります。
その靴と足とのマッチングによってはじめて、細かいスタンスに立ち込めるようになったり、トゥフックやヒールフックといったボルダリングならではのテクニックを繰り出せたりするわけです。
しかしながら、そのフィットによって得られる鋭敏な感覚と引き換えに、「窮屈さ」という感覚を受け入れる必要があります。
苦痛すぎない程度の窮屈感がないと、ボルダリングシューズとしては機能していないも同然です。
ボルダリングを全くやったことがない人は、まず「ボルダリングシューズはそもそも窮屈なものである」という事実を理解していただきたいと思います。
普通の靴と同じ感覚では使い物にならないというわけです。
実際、「27.0cmの普段履きの靴」と「27.0cmのボルダリングシューズ」を履き比べると、ボルダリングシューズはあきらかに小さくて窮屈であることがわかると思います。
それは、ボルダリングシューズは、爪先・甲・踵にピッタリとフィットしている必要があるからです。
ということは、ずっと履いていられるくらいのサイズ感だと、それはすなわちサイズ選びが間違っている可能性があります。
履いていて全く窮屈感もなく脱ぎたくもならないのなら、スタンスを捉える爪先感覚や踵の感覚が活かせていない可能性があり、それは自分の実力を発揮できていないことを意味しており、もしかすると成長も妨げているかもしれない、ということになります。
履きっぱなしだと、靴が傷みやすいよ
履きっぱなしだと、最も懸念されることは、靴が傷みやすくなるという点です。
長時間履いていると、靴はそれだけ足からの湿気を吸うことになりますし、履いたまま地面を歩き続けることはボルダリングシューズ本来の用途ではないため、靴に必要以上のインパクトとストレスを与え続けることになります。そうすると、ラバーの磨耗や劣化を無闇に早めてしまい、シューズの寿命を減らすことにつながる結果になります。
また、ダウントゥシューズだと一層劣化が顕著になります。
というのは、履き続けて地面を歩いたり等を繰り返していると、ダウントゥのアーチが崩れてしまい、靴本来の性能を損なうばかりか、ラバーへのダメージやインパクトが蓄積しやすくなるので、結果的に早期にダメになってしまいやすいというわけです。
まぁ、ラバーと地面が接触する回数が多くなるほど、磨耗しやすいというのは当たり前のことではあるのですが・・・。
痛くて1分も履けないならば、それはNG
逆に、痛くて1分も履けないというのはダメですね。
というか、そんな靴はそもそも選ばないとは思いますけれどね・・・。
しかし、10年以上前などは、ボルダリングシューズは痛いくらいキツいものを選ぶのが良しとされていた風潮がありました。
実体験から語られていたこととはいえ、それを言う人は「ストイックに攻め続けた結果、自分の実力を伸ばしてきた一部のクライマー」の、自分のバイアスが強力に入り込んだ主観的な意見であり、それが世間に浸透していたという背景があったように思います。
現在は、キツすぎはNGという意見が多数かと思います。
はじめてボルダリングをやる人は、そもそも爪先や踵の感覚を限界まで研ぎ澄ませることを求められる高グレードな課題を登るわけがなく、フットスタンスが大きめの課題を登ることになるわけですから、痛くて苦痛なほど窮屈な靴を選ぶ必要性は全くないわけですよ。
「クライミングシューズは痛いくらいキツいのが良い」と言っている人は、上級者が中級者に話しているのならまだ分かりますが、上級者が初心者にアドバイスする内容としては、明らかに的外れですね。
「10分で脱ぎたくなるくらいのキツさ」が良い
こういった風な疑問を抱かれると思います。
あくまでも目安になりますが、「10分で脱ぎたくなるくらいのキツさ」が目安になるのかなと思っています。
爪先や踵の感覚を活かすために
爪先や踵の感覚を活かすためには、皮膚と面的にピッタリと隙間なくくっついている必要があります。特に足の指先は半分曲がって指の腹が底を押さえつけているような形になっていないと、爪先に力が込められませんので。
しかし、そうすると、どうしても履いたその瞬間から「窮屈感」は拭い去れないものとなります。
ボルダリングで壁を登っている時間は、おおよそ30秒~2分くらいかと思いますが、その間に足が痛くならない必要があります。なお、長モノ課題やルートクライミングをやる場合は、3分~長ければ10分くらいは靴を履いた状態になります。
このことを考慮すると、「10分で脱ぎたくなるくらいのキツさ」がボルダリングシューズを選ぶ際のひとつの目安なのかなと思います。
逆に、15分履いていても脱ぎたくならないのならば、多分30分以上履いていても脱ぎたくならないと思います。そうするとその靴は「ボルダリングシューズとしては緩すぎ」であり、靴の性能を活かしきれていないことになります。
はじめてボルダリングシューズを選ぶときは、試し履きの時間も限られているので難しいとは思いますが、ジムでレンタルシューズを履いてみる際に、それが「10分で脱ぎたくなるくらいのキツさ」かどうかを意識してレンタルしてみるといいのかなと思います。
アーチ(土踏まず)の形状を長持ちさせるために
特にダウントゥシューズなどでは、アーチ(土踏まず)の形状を長持ちさせるために、履きっぱなしで地面を歩いたりするのは止めておいたほうがよいかと思います。
最近では、アーチの形状を保ちつづけるための技術を導入している靴もありますが、それでも履いた状態で地面を歩いたりしていたらアーチは遅かれ早かれ崩れます。というか、登っているとき以外は脱いでいないと、どんなダウントゥシューズも基本的にはすぐに扁平になってゆきます。
その意味でも、「ボルダリング中、ずっと靴履きっぱなし」は宜しくないなと個人的には思っています。
まとめ
今回の記事は、完全に主観が入っていますが、みなさんはどう思われるでしょうか?
僕的には、以下のような結論となりました。
- ずっと履いていられる=サイズ選びがそもそも間違っている
- 「10分で脱ぎたくなるくらいのキツさ」がちょうどよい
- 登っているとき以外では、なるべく脱いでいるほうがよい
以上です。
それではみなさん、素敵なボルダリングライフを^^