登山が面白くなってきて、妙義山に興味をもった方だと、こんな疑問をお持ちかと思いますが、
僕が先日にこの妙義山に登ってきたので、体験ベースで回答してみたいと思います。
ちなみに僕の登山歴は約20年で、日本百名山は70座あまり踏破してきています。
なお、北アルプス・中央アルプス・南アルプスの主要エリアも概ねトレースしています。
ですので、山はかなり歩き慣れておりますが、できるだけ初心者の方の視点も意識しつつ解説していきますので、妙義山登山をご検討しており、事前知識がなくて不安な方はぜひご一読ください。
【※注意①】妙義山の面白さなどを期待しつつも下調べ無しで登りたい!と思われている方にとってはネタバレになってしまいますので、ここで速やかにページを閉じてください。
【※注意②】妙義山には大きく2つの山塊(金洞山・白雲山)に分けられ、今回僕が行ったのは「金洞山」という山塊になります。「白雲山」には登っておらず、白雲山の情報には言及していません。が、妙義山の難しさについては金洞山のほうが若干難しめのようですので、本記事でイメージしていただけるかと思います。
目次
妙義山(金洞山)の概念写真
百聞は一見に如かず。以下の写真のとおりですね。
妙義山はエアリアマップでみてもごちゃごちゃしすぎていてわかりにくいですが、写真だとわかりやすいんじゃないかなと思います。
妙義山は日本で一番難しい登山ルートなのか?
・答え→難しくはないが、落ちると死ぬ危険性が高い
「難しい」とか、「熟練者向け」とか言われていますが、それってどう難しいのかがわかりにくいですよね。
そこを具体的に掘り下げますと、以下のようになります。
・ただし鎖から手を滑らせたりすると、そのまま地面まで10mとか滑落するので、ミスは許されない
・岩場ではツルツルの箇所では足場がカットされており、そうでない岩場でもちゃんと探せば登山靴でもしっかり乗せられるので、難しい岩登りの技術は問われない
これが妙義山の難しさの全てになります。
そして、難しい箇所(核心部)のうちのひとつは、下の写真のような場所です。
↑ ※中ノ岳山頂直下の核心・15m鎖場 (上下2段)
日本一難しいかどうかについて【→鎖場の危険度だけは日本一?】
そもそも難しさの定義を一括りにはできません。登山の難しさは、標高差や気象条件、季節や気温、ルートの長さや明瞭さ、アプローチの不便さなどさまざまな要因が複合的に絡んでおり、難易度を一概には示すことができないからです。
妙義山の場合は、一般登山道の中では「鎖場の危険度」においては北アルプスの穂高岳や剣岳よりも手厳しく感じますので、その意味では日本最難かもしれません。
しかし、登山口からの距離や標高差はそれほどでもなく、体力的には比較的易しい山ですし、エスケープルートもたくさんあって下山もしやすく、道も明瞭で迷う心配も少なめなので、その意味では大変な山ではないと思います。
妙義山の山頂へは初心者でも登れるのか?
・答え→やめたほうがよい
登山経験がまったくない人、または登山経験が少ない人が、単独で行くことはやめたほうがよいと思います。
経験が少ない人同士の複数名で行くこともやめたほうがよいと思います。
上記に説明した岩場の核心箇所は、稜線で景色が開けており非常に高度感がありますので、人によっては恐怖心を煽られてしまい、冷静な判断能力を失う可能性もあるためです。
【補足】妙義山の山頂に初心者が手っ取り早く登る唯一の方法
それは、登攀技術を備えているプロの山岳ガイドに依頼して、一緒に登ってもらうことです。
この方法なら、比較的簡単に誰でも妙義山の山頂に立つことが可能です。
どうしても妙義山に登ってみたい!でも一人では経験も自信もない!という方は、プロの山岳ガイドに依頼してみましょう。
妙義山登山に必要な技術とは?
・答え→高い所に慣れており山も歩き慣れていれば特別な技術は必要ない
北アルプスとかで夏山縦走登山なんかをやりこんでいる方にとっては、妙義山に登ることはそれほど難しいことではありません。
穂高や剣岳の登山道にある岩場を経験していたら、岩場や鎖場でどのようなことに注意を払って登り下りをしたらいいかの想像ができるからです。
【岩場や鎖場で注意を払う点は以下です】
・両手で掴んで登るのは、そうしないと越えられない箇所だけに限定する
・それ以外では鎖は片方の手で握りつつ、もう片方の手はなるべく岩の掴みやすいホールドを掴んで、
足でしっかりと岩のスタンスに乗り、足で立ち上がって登る(腕の力に頼らないこと)
なお、ロープやスリングやハーネスなどの登攀具を使用する技術がなくとも登ることは可能ですが、手が滑ったり、ザックが岩にあたって弾かれてバランスを崩したり、というようなミスをすると、滑落して高確率で死にます。
基本的な確保技術があったほうが安全度が飛躍的に高まるという事実があります。
【補足1】ボルダリングで7~6級を登れていたら効果的
ボルダリングで初歩的なムーブ(=登り方のテクニック)を練習していれば、妙義山の岩場でも非常に役立ちます。
なぜなら、力を抜いて登れるコツを会得しているので、ラクに楽しく岩場を通過できるからです。
ボルダリングは登山においても非常に有効なので、お近くにボルダリングジムがあればぜひ通ってみられることをオススメします。
【補足2】基本的な確保技術があれば安心
登攀具(ハーネス・スリング・環付カラビナ)があれば、セルフビレイ(自己確保)が取れますので、垂直の鎖場でも疲れたら休みながら登れたりします。
しかしこのあたりは、まずはフリークライミングやアルパインクライミングの技術を体系的に学んでイメージする必要がありますので、いきなり登攀具だけを購入して自己判断で現地で使用することは危険なのでやめましょう。
なお、プロの山岳ガイドやクライミングインストラクターに技術講習を依頼することが最初の入り口になるかと思います。
あるいは、そんなお金がない!という方は、クライミング技術を持った人たちが多く所属する山岳会に入会することは、費用を抑える意味や仲間を増やす意味で非常におすすめです。
そこでクライミング技術をもった人と仲良くなって、クライミングの基礎の手ほどきをしてもらうとOKです。
※このあたりは当記事の趣旨とは離れるため、後に別の記事にてまとめてゆきたいと思います。
雨の日の妙義山登山はやめましょう
雨が降ると鎖が濡れて圧倒的に滑りやすくなりますし、手がかじかんで冷たくなると鎖を握る手の感覚がなくなり非常に危険です。
雨の日は、熟練登山者でも行くことはやめたほうが賢明ですね。
晴れた日を選んで出直しましょう。
・・・
以上、妙義山の難しさについての解説でした。
ここから先は、妙義山登山に関する現地情報です。
妙義山登山に関する情報
妙義山(金洞山)の概念図(写真)
※この写真の右側(北東側)に、白雲山の山塊があります。
妙義山へのアクセス
【自動車】
上信越自動車道「松井田妙義IC」を出て、上毛三山パノラマ街道にて約20分。中之嶽神社南側に位置する県立妙義公園大駐車場に停める(無料・400台・トイレ・売店あり)
※都内からの所要時間 :約2時間半
【電車】
JR信越本線「松井田駅」下車、タクシーにて県立妙義公園大駐車場へ。
妙義山登山の必要日数と所要時間
・歩行時間:約5時間半(中之嶽神社から金洞山縦走して戻る場合)
※登山開始はおそくとも10時まで。それ以降の時間なら石門広場周辺の奇石群散策にとどめておいたほうがよい。
【今回僕が歩いた登山コース】
県立妙義公園大駐車場(中之嶽神社)→石門入口→第1石門→石門広場→石門分岐→中ノ岳→東岳→鷹戻し→堀切→黒滝→大砲岩→胎内くぐり→石門広場→見晴台→中之嶽神社→駐車場
15:55 下山
・おすすめのシーズンは「11月中~下旬」
妙義山は紅葉が美しく、紅葉狩りにもうってつけです。
また、標高1000m前後の低山なので、晴天率が高く気温が涼しくなる晩秋が登山には最適です。
・妙義山の見どころ
【第一石門】
まず最初に見上げて感動したのがこの第一石門。岩にできた巨大なアーチには圧倒され、自然の造形美と神秘に感動しました。どうやったらこのような岩が出来上がるのかが不思議ですね。。
【石門広場】
石門入口から20分ほど登ると到着するのが石門広場。ここにも象徴的な岩のアーチが。。
アーチの奥に見えているのが「大砲岩」です。
【大砲岩】
その名のとおり、大砲のような形をした岩。
近くまで行くこともできますが、急な鎖場があり割と注意が必要です。
【胎内くぐり】
大砲岩の反対側に位置しています。ここも危険箇所があるので怖さを感じたら近づくのはやめましょう。
【見晴台】
絶景ポイントです。背後に金洞山、そして大砲岩方面の岩場や山麓が広く見渡せます。
・妙義山周辺の温泉
【妙義ふれあいプラザ 妙義温泉「もみじの湯」】
安くてきれい。露天風呂あり。施設内には食堂もあり。下山後に立ち寄ると満足度高し。おすすめです。
ところで、西上州の「妙義山」ってどうなんだろう?なんか日本で一番難しい登山ルートがあって登頂が難しいなんて話も聞いたことがあるけど・・・
確かに外観もゴツゴツした岩山だし・・・実際のところ自分が行って登れるのかな?