こういった疑問に答えます。
僕は、ボルダリングは2~3級あたりを登っており、ルートだと5.12bまでレッドポイント済みです。
当方、以前にスポルティバ・フューチュラを履いていた時期がありました。
結論から言うと、「まずまず良かった」です。
当シューズを使用した感想を、極めて主観的かつ独断と偏見で述べさせていただきます。
目次
スポルティバ・フューチュラの特徴
スポルティバ・フューチュラの特徴を以下解説します。
なお、僕が使用しているものは初期型のフューチュラです。
2019年現在はモデルチェンジしており、現行モデルは「フューチュラ リブート」というものが販売されております。
ダウントゥは緩め、トゥラバーが二重になっている
見た目は結構攻めていますが、ダウントゥの具合はそこまで強くはないですね。ターンイン(ねじれ)の特徴などは全くなく、意外にクセが少ないので、初級者でも比較的履きやすいのでは?と思います。とはいえ、足の形状によって履いたときの痛さとかフィット感はまるで違いますから、難しい部分でもありますが・・・
あと、フューチュラの大きな特徴として、トゥラバーが2重になっているんですよ。
トゥラバーが2重になっていると、厚みも増えているわけなので、爪先をグリグリとスタンスに押し付けまくって酷使しても、ほかのシューズと比べて穴が開きにくい(磨耗しにくい・耐久性がある)ということです。実際、2年間週一回以上の頻度で使用し続けても、爪先に穴が開かなかった初めてのクライミングシューズでした。
ちなみにフューチュラは、「NO-EDGEコンセプト」とメーカーが謳っているモデルで、これはつまり爪先の先端のラバーのエッジ面を削って丸くすることで指先とスタンスとの接触密度を高め、より一層足親指の指先感覚を研ぎ澄ました造りとなっている、と言えるものです。
理屈のうえでは「あーなるほど」と理解できますが、では実際にはどうなのかというと、
「そんなに変わらない」というのが本音ですw
というか、せっかくエッジ面を削って足指先の感覚を強めるといっても、ラバーが二重構造なので、結局足指とスタンスの間のラバーの厚みは変わらないという結果になってしまっているように思いました。
とはいえ、先端に穴が開かない耐久性は他のシューズにはないものだったので、大したものだと思います。
ベルクロのフィット感が秀逸
細いベルトと大きめのベルクロによって、足の甲部分に不必要な厚みをもたらすことなく、非常にスッキリとした感じで且つしっかりとフィットさせて留めることができる機構になっています。しかも、留めるのは1箇所のみですから、足を入れてから素早くフィット完了できます。履く際の手間に関してはスリッポンタイプの次にスムーズです。
これは、2本締めのシンプルなベルクロテープを止めるだけの他の多くのクライミングシューズと比較しても、非常に秀逸な仕様だと思いました。
しかし、大きな欠点もありました。
それは、
細いベルトの耐久性が弱く、1年半ほどの使用で切れた
ということです。
細いベルトは邪魔になりにくくスッキリとしてよかったのですが、細いということは耐久性が弱いということとイコールですよね。
この点はちょっと残念でした。
スポルティバ・フューチュラが合いやすい人は?
踵(ヒール)が細く、ワイズも細めの人
これはスポルティバのクライミング全般に言えることかと思いますが、「踵が細く、ワイズ(甲周り)も細めの人」にはおすすめできます。
とはいえ、甲周りのボリュームがあっても、ベルクロでフィット微調整は可能なので、さほど問題はないのですが、踵については細いほうが収まりがいいと思います。
そして踵がしっかりフィットするかどうかは、ヒールフックなど踵を押さえつけるようなムーブの繰り出しの際に非常に大切なことなので、よく見極めたいところです。
あとは、親指が人差し指より長い「エジプト型」と呼ばれる足型の人によくフィットします。
逆に親指が人差し指より短い「ギリシャ型」と呼ばれる足型の人にはあまり相性がよくないようです。
中級者以上の人
靴のコンセプトとして、ダウントゥシューズは中級者以上の人向けです。
ダウントゥシューズは、履いた際に親指の先端が鉤状に下側へ曲がってゆくことで、特にかぶった前傾壁においてスタンスに加重をかけやすい作りになっているからです。
かぶった前傾壁は、初級者は基本的に登ることがあまり無いため、かぶった前傾壁を好んで登る中級者以上の人向けというわけです。
とはいえ、デザインは格好いいですし、履き心地も変なクセがなく意外に心地良いので、初級者が履いたらダメ!というわけではなく、足に合うのであれば選んでみてもいいのでは、と個人的には思います。
スポルティバ・フューチュラを使用していた僕の場合
買っていきなり慣らさずに外岩で使用、しかも5.12bをレッドポイント!
買ったばかりのクライミングシューズをいきなり外岩本番で使うようなことをする人はあまりいないと思うのですが・・・
僕は買ったタイミングがたまたま外岩本番の直前であり、前のシューズ(ミウラー)が壊れてしまっていたので、致し方なしにいきなり使ったのだと思います。
そしたら、その日に5.12bのグレードのルートをいきなりレッドポイント(=複数回トライの末に、完登すること)したのです!
もちろん、それまでにこの岩場に通いこみ、散々リハーサルをしていたわけですが・・・
まぁ、正直、新品の靴を事前にジムとかで履き慣らすことについては、あまりクライミングのパフォーマンスに関係がなかった、ということを証明してしまう結果に。
かといって、いきなり外岩に履いて登ったら強くなれるスーパーシューズだ!というものでもありませんので、誤解なきようお願いします^^
使用期間は約2年間でした
購入してから、履けなくなるまでの使用期間は約2年間でした。
しかし、履けなくなった理由は「ベルクロテープがちぎれたから」であり、靴の先端ラバーに穴が開いたからではありません。
ちなみに、100円ショップなどで売っているゴムバンドを使って、履いた状態で靴の甲部分を締め付ければ、たぶんまだ使えると思います。
(そのようにして実際に長年同じ靴を使用しているクライマーがいました)
これについてはまだ試せていないので、今後試すことがあったら追ってレポートいたします。
【追記】スポルティバ・フューチュラリブートについて
2018年度より、フューチュラは新モデルになって登場しましたね。
「フューチュラ・リブート」
僕は使用してはいないのですが、試し履きをしてみた感想として、主な変更点としては、以下の感じ。
- スリングショットが黄色い帯になり、やわらかくなった
- 甲が低くなり、やや幅広になった
ちょっと足型が変わった感じがあるので、それまでのフューチュラユーザーが同じサイズで単純に買い換えると違和感があるかもしれません。
しかし、甲が低めの方とか、スポルティバで今一番人気がある「スクワマ」が足に合う方とかなら、フューチュラ・リブートは足に合うかと思いますね。
機能面は、フューチュラとほぼ同じだと思います。基本はジムクライミングに向いていますが、外岩でもマルチに使えます。
しかし、価格が高い。高いだけあって、モノはいいのだろうか?足に合うかどうかも気になる。失敗したくないから、参考までにレビューを見たいよ。