そんな疑問をお持ちの方へ。
こんにちは、トミーです。僕は登山歴が約20年くらい。
これまでの登頂歴は、日本百名山は70座以上。
なお、国内の3000m峰は、南アルプスの塩見岳・農鳥岳を除き、すべて登頂済です。
そして長野県にある日本アルプスは有名どころは大体踏破しており、8泊9日のテント泊縦走の経験もあります。
ちなみに言うと、学生時代は運動部に所属したことはなく、典型的な文化系人種でして、病気がちで喘息持ちでもあったため、体力は人並み以下でした。
そんな僕でも、山登りを続けることができています。
多くの山に登ってきましたが、やはり「山登りの際には疲れない歩き方のコツ」といったものがあります。
あくまで僕なりのコツであり、僕が有効だと思うことになりますので、主観的になるかと思いますがご了承ください。
それでは、以下ご一読くださいませ。
山登りで疲れない歩き方のコツ(技術編)
①意識的にゆっくり、そして一定のペースで足を運ぶ
無意識に歩いていると、ついつい先を急ぎたくて早足になったりしちゃいがちです。あんまり急ぎすぎると、登山の長丁場では体力が持ちませんし、過剰に汗をかきすぎると衣服が濡れて汗冷えを起こしますし、脱水状態にもなりやすいです。
しかし、ここはぐっと抑えて、まずは呼吸を意識しましょう。
そして、あえて頭の中で「ゆっくり歩くこと」を念頭に置きながら、一歩一歩を丁寧に、「ちょっとゆっくりかな~」と感じるくらいの雰囲気で、歩みを進めていきましょう。
自分自身の動作を、美しく保つことを意識しておくことがコツです。
ゆっくりと、そして一定のペースを保って歩くことは、その動きそのものが心を安定した状態に保ってくれますので、荷物を背負って長時間を歩いても疲れにくい最も効果的な歩き方です。
②危険な場所、テクニカルな場所に足を置かない
岩場やガレ場、急な段差、水溜り、木の根などの障害物があると、不意にジャンプしたり、その後に変な着地をしたりするので、足を痛めたりして、一気に肉体ダメージと疲労が溜まります。
そもそも、こうした障害物には突っ込まず、登山道においてなるべく負担の少ないルート取りを心がけましょう。急な段差やらも、そこを無理やり超えなくとも、少しまわりを見渡せば、これを無理なく迂回できる道があるケースも多いです。
こうした障害物で、無駄な体力の消耗は避けましょう。
③休憩は50分~90分に1本とる
休憩のペース配分も大切です。
一般的には50分に1本、約5~10分ほどの休憩をとることが良いとされておりますが、ここは個人で自分のペースにあった休憩の取り方でも良いと思います。
僕は、大体90分に1本、10~15分ほどの休憩を取る場合が多いです。
ゆっくり上手に歩いていたら疲れにくいので、90分くらいは連続して歩けてしまいます(人によるとは思いますが)。
また、休憩時には、ザックをおろさず、立ったままで休むことのほうが、その後の歩き出しで疲れが出にくくなるので良いという話もありますが、これはどちらでも良いと思います。ザックをおろして腰を下ろさないと辛い場合も多いと思いますので、その際は無理しなくていいでしょう。
ただ、汗冷えには十分に気をつけてください。寒くなる前に素早く一枚フリースを羽織るなどを習慣付けるとよいですね。
④時々、一瞬だけ立ち止まって呼吸を整える
歩いている最中、まったく立ち止まらないのは、いくらゆっくり歩いていてもさすがに疲れてくると思いますので、呼吸が乱れてきたと思ったら、少し立ち止まって、山の景色を眺めつつ、呼吸を整えましょう。
5~10秒ほど立ち止まるだけですごく楽になりますし、その後の疲れ方が改善されますので。
⑤ストックを使う
ストックを使わないことに対するこだわりを持っている人、いますよね。昔の僕がそうでした。
「え、ストック?いわゆる”杖”でしょ?かっこ悪くね?」
とか思っていましたね・・・。
でも、ストックは上手に使えば、本来ならば身体・腰と両足にかかってくる負荷を、腕を使うことで負荷を分散させられるので長時間にわたる山登りの疲労をうまく軽減することができます。
個人的にオススメなのは、ストックを1本だけで使用することです(2本あると、急登や岩場では邪魔になることが多いです)
また、凍結した登山道や、水溜りがある箇所でのバランスの補助にも非常に有効です。
山登りで疲れない歩き方のコツ(メンタル編)
上記の技術も大切ですが、それ以上に山での疲労に影響するのはメンタル(気持ちのあり方)だと思っています。
①【最重要】先の行程を考えず、無心で今現在に溶け込む
歩いていると、ネガティブな雑念にとらわれる場合があります。
・いやいやコースタイムでまだ4時間とか・・・先長すぎ。汗で気持ち悪いし、すでに温泉入りたいな・・・。もう下山しようや。
いつのまにか、こういったことをぐるぐると脳内再生しているのは、登山あるあるですね。笑
こうした山歩きのしんどさやつらさばかりに意識をフォーカスしてしまうと、しんどさが一挙に倍増します。
それまでに気にしなかったザックの重さがやたら気になるようになり、急に重さがつらく感じ始めたりします。
こうした場合、負の感情にとらわれている自分自身を意識化するのです。
「あ、私いまネガティブなことばかり脳内再生していたな」と気づくことが大切です。
ネガティブな感情は、主に現在から先の行程の長さを考えてしまうことがきっかけになりやすいですね。
このことを自覚しておきつつ、先のことは考えないようにするわけです。
聞こえる音は、小鳥のさえずりと、そよ風に吹かれる木々の葉の音だけ。
山と同化し、身体の奥まで自然の息吹が浸透し、完全に溶け込んでいるのです。
そう感じられると、常時ほんのりとした幸福感に包まれ、余計な雑念はどこかへ行ってしまうものです。。
②ビューポイントで景色を眺めて感動する
木々が開け、あたりの景色が眺められるビューポイントでふと立ち止まって、来し方を振り返ると、その景色には思わず感動せざるを得ないでしょう。
・景色すげー!うーわ気持ちええ~!
山にそれほど興味がなかった人でも、山に連れてきたら大体こんな感じの反応となり、感動されています。
この瞬間こそ、山の醍醐味ですよね^^
③自然に同化しつつ、黙々と歩く自分に酔う
①とかぶりますが・・・、大自然の一部と化す感覚に包まれると疲れを忘れられます。
森や草や花や土や岩の、姿・質感・音・香りに神経を研ぎ澄ますと、「山」を身体全体で感じられます。
身体の奥深くまで、「山」と「自分」がだんだんと同化してゆくように感じられてきます。
自然の中で「自分は生きている」という感覚、生命の躍動みたいなものを感じます。
そうしたなかで、心が洗われてゆき、自分の生命体としての素晴らしさのようなものが感じられます。
自分の存在を肯定できるというか、、そんな感覚が得られます。
このあたりは、人によって大きく異なるのかもしれません。
しかし、「しんどいだけ」とか「暑くて不快」とか、そういった余計なことを忘れ、「山そして大自然がいかに雄大で素晴らしいか」という概念を持てるかどうかが鍵となるのかもしれません。
④雑念をうまく利用する
黙々と山を歩いていると、人間ですから、どうしたって雑念が脳内で沸き起こってきます。
その雑念でも、ポジティブに利用することができます。
普段の生活のことに関する雑念が沸き起こった場合
例えば、仕事のこととか、恋愛のこととか、人間関係のこととか、日常生活での雑用のこととかを思い出して考えているとき、その雑念にいっそ集中してしまいます。
とか、
とか、
もうそういう関係ない雑念が沸き起こったら、いっそ徹底的に掘り下げてしまいます。
するとどうでしょう、いつの間にか目的の山頂に一気に近づいているではありませんか!笑
山登りそのものがしんどい、という雑念が沸き起こった場合
・・・という、考えるほどに現状の山登りがしんどくなる雑念。笑
しかし、よく考えてみてください。
あなたは今、下界であった嫌なことや面倒くさいことを完全に忘れていますよね?
日常生活のあらゆる悩み事がいかにチンケであるかということに気づいてしまう瞬間です。
山登りって、素晴らしいと思いませんか?笑
山登りで疲れない歩き方を意識した瞬間(先日の僕の事例)
①負の雑念が自分の登山を苦しいものにした
先日に、赤岳へ登りに行きましたが、久々の登山で、かつテント泊だったので、荷物が100リットルと非常にでかくて重かったのです。
特に、歩き出した直後の30分~1時間ほどの間は、足が思うように前に進まず、苦しい気分でした。
そして、
と思ってしまいました。
すると、その直後から息が乱れはじめ、本当に身体がしんどくなっていきました。
まるで登山初心者に戻ったような気分で、「山登りがこんなにしんどいとは。これまでいろんな山に登ってきたけど、全然ダメやな・・・。苦しい」と負の雑念が渦巻き始め、天気は非常によかったものの、どんどんテンションは下がってゆきました。
②荷物の一部を仲間に分け、談笑しながら歩くと疲れが緩和した
さすがに久々の登山なのに、荷物が重すぎたのだと思いましたので、ガス缶や水筒など、僕の荷物の一部を、同行していた仲間にお願いして持ってもらうことにしました。
仲間は登山経験が僕ほどではなかったので、お願いするのにややプライドが邪魔してしまっていた自分にも気づいてしまったのですが、素直にお願いをして荷物を軽くすると、テキメンに気分が上がってきました。
そして、仲間と山について談笑しながら歩いているうちに、さきほどまでの疲れは吹っ飛び、身体も暖まって歩みが楽になり、いつのまにか山登りのしんどさや辛さのことは、頭から離れていたのです。
まとめ
以上、なんだか取りとめのない感じでダラダラと長くなってしまいましたが、山登りで疲れない歩き方のコツについて主観的に思うことを書いてきました。
ざっくりまとめると、以下のようになります。
山登りで疲れない歩き方のコツ(技術編)
- 意識的にゆっくり、そして一定のペースで足を運ぶ
- 危険な場所、テクニカルな場所に足を置かない
- 休憩は50分~90分に1本とる
- ストックを使う
山登りで疲れない歩き方のコツ(メンタル編)
- 【最重要】先の行程を考えず、無心で今現在に溶け込む
- ビューポイントで景色を眺めて感動する
- 自然に同化しつつ、黙々と歩く自分に酔う
- 雑念をうまく利用する
そして、先日の僕のときのように、同行している仲間がいる場合には、
- 荷物が重ければ、一部を分担してもらう
- おしゃべりに夢中になる
こんな感じですね。
あくまで僕の主観になりますが、いかがだったでしょうか?
山登りがしんどいことは事実ですが、しんどいだけではないこともまた事実です。
素晴らしい何かを得るために、素敵な山登りライフを楽しんでゆきましょう^^
このしんどさがなかったら、山もええよなって思えるんやろうけど・・・。いかんせん、しんどいわ。いやほんま。
ただ、アレやな・・・。ラク~に山登れるコツみたいなもんがあれば、また色々違ってくるんやろけどな・・・。そんな方法あったら知りたいわ。